メディカルフォースマガジン

美容クリニックの内装はどうすべき?業者選びのポイントと合わせてご紹介

2021年8月3日

こんにちは。メディカルフォースマガジン編集部です。

今回は、美容皮膚科・美容外科等の美容クリニックを開業しようとを検討している方向けに、クリニック経営において重要な要素の一つである「内装」について解説していきます。

「これから開業するが、内装をどう決めていけばいいかわからない」はもちろん、「これから開業するが、内装のコストの相場、内装業者の選び方がわからない」という方にも、参考になる内容になっています。

本記事を読むことによって、

  • 美容クリニックにおける内装の決め方
  • 内装を決める上でかかる費用
  • 内装業者の選定基準と注意点

について知ることができます。

1.美容クリニックの内装はどのように決めていくべき?

ご存知の通り、美容クリニックは他の診療科目と比較しても内装が非常に重要な要素になります。

風邪や怪我であればその症状を治すことを目的としているため、通いやすさなどが重要となりますが、美容クリニックの場合は、患者は自分の理想の姿をそのクリニックで実現できるかという点を重要視するためです。

では、内装はどのように決めていくべきなのでしょうか。

第一に、「コンセプト」が内装を決める上で最も重要な要素になります。美容クリニックの内装はコンセプトありきです。

コンセプトとは、そのクリニックがどんな価値を患者に提供できるのかを明示したものとなります。

全国的にも有名な「湘南美容クリニック」は女性向けの診療で有名なのはもちろんですが、一方で「初の男性専用美容クリニック」とわかりやすいコンセプトを掲げて男性向けの診療も行なっています。

他の事例を見てみると、「美容のかかりつけ医」、「エンタメ性を重視したオタク向けクリニック」や「ある特定の部位に特化した女性専用クリニック」など各クリニックで独自のコンセプトを持っていることが多いです。

もちろん、コンセプトが限定的になればなるほど、刺さる顧客層もニッチになります。しかし、当たり障りないコンセプトだと患者としてはそのクリニックを選ぶ理由がなくなってしまうので、大事にしたい指針や考えをコンセプトにすると良いでしょう。

第二に、そのコンセプトがあった上で、それに沿った内装に落とし込んでいきます。

極端な話をすると、中年層の患者をメインターゲットにしたいのに、メルヘンでかわいさを表現した内装だとミスマッチになります。その場合は、中年層が好むイメージや雰囲気が何かを考え、内装を決めていく必要があります。

2.内装に関わる費用で変動する要因となる要素

前章で、内装を決めるのはコンセプトであることを説明しました。

とはいえ、限られた予算の中で現実的に決めていくことが大事です。

では、どのようにして内装の費用は決まるのでしょうか?

予算・費用の変動要因となる要素の中で主要な3つを取り上げて解説していきます。

①来院者の導線

来院者の導線をどのように設計するかで費用が変わります。

具体的には、部屋数や各場所別の広さで費用が変動するということです。

ただし、費用を優先するために導線設計が雑になると、実際のオープン後に痛い目をみることがあります。

なぜなら、美容クリニックではデリケートな悩みを持つ患者様も多いので、患者様同士がなるべく顔を合わせないようにするなどの設計が重要になるからです。

スタッフや患者様同士がストレスを感じない内装設計にした上で、クリニック内を人が移動しやすいようにしましょう。

一つひとつの部屋を無理に広くせずとも、個室を増やしてあげることで患者様はストレスなく施術を受けることができるようになります。

実際に施術を受けた人のクチコミでも、そういった点でのストレスのなさが高評価につながっています。

②坪単価

次に、坪単価です。

おおよその坪単価としては、美容クリニックでは40万円/坪~と一般的にはいわれています。

ただし、新装か改装か、元々の設備や工事が入っている居抜き物件かどうか、などで異なってきます。

居抜き物件や改装だけで済む場合は、15~25万円/坪程度まで坪単価が下がっていく場合もあります。

居抜き物件や改装で坪単価が下がる理由としては、元々ある設備を使えるのに加えて、水回りや電気配線などを変更する必要がないためです。

ただし、居抜きや元々ある設備を活用する場合でも、配線や幹線を変える場合は結局新築と変わらなくなってしまうこともあるのでご注意ください。

③設備容量

最後に、設備容量についてです。

設備容量と一言にいっても複数ありますが、具体的に挙げると「電気設備」「空調設備」「給排水衛生設備」「防災設備」になります。

一見内装に関係なさそうに見えてしまいますが、上記項目だけで内装費の3~4割占めてしまう場合もあるので、注視しなければなりません。

設備関係とは異なりますが、医療機器を支える床の工事に費用がかかったり、機器に伴う配線工事や幹線工事に高額な費用がかかるケースもあるのでこの点も注意しましょう。


以上の3つが、内装費の費用にかかわる変動要因になります。

この3つを中心に、費用とのバランスを見ながら、どこで費用を抑えられそうか、どこにかけるべきなのかを判断できるようにしましょう。

3.内装業者の選定基準と注意点

続いて、実際に内装を頼む業者の選び方についてご説明します。

まず、選定基準や選び方について知る前に、1つ前提を知っておく必要があります。

それは、内装業者に対しては見栄をはらずに正直な希望の金額を伝えるべきだということです。

言葉でいうと簡単に聞こえますが、最初に高めに設定しておいて、後から費用が圧迫してしまうなんてことがあると後悔で済まない可能性も出てきます。

よほど無謀な予算を提示しない限り、予算内でできる見積やプランを出してくれるので、業者には正直に金額感は伝えるようにしましょう。

では、実際に、選定基準や注意点について解説します。

①相見積り

まず、一番重要なのは内装業者選定において「相見積」は必須の要素になります。

1社からしか見積りを取らず、金額感が良かったからそこで決めた、なんてことも聞きますが、複数社から相見積をしないのはリスクが高いです。

なぜなら、他から見積りをとれば、より安く手厚く対応してくれる業者を見つけることができた可能性があったのに、そのチャンスを放棄してしまうことになるからです。

最低3社から見積もりを取って比較してみるのがおすすめです。

②アフターサービス

次に、施工後のアフターフォローが充実しているかが選定基準になります。

工事を進める過程で調整が必要になるなどの理由で、施工前のイメージ通りにはいかないことは当然起こり得ます。

そうなった場合に、無償の範囲でどこまで保証してくれるかが重要です。

他にも建付けの際や設備容量に何か不具合が起きてしまった場合にフォローしてくれるのか、についても事前に注意して契約するようにしましょう。

③実績

最後に、業者の過去の施工内容や事例などの「実績」が重要な選定基準になります。

ある程度依頼したい業者の目星がついてきたら、その業者の過去の事例をみましょう。

実際に業者に聞けばどのような工事だったのか、費用はどのくらいだったかを数パターン出してくれることもあります。

自分のクリニックと似た工事を過去に行っていれば、イメージを共有しやすく、ノウハウも持っているはずなのでさらに良いでしょう。


以上の3つが内装業者を選んでいく上で重要なポイントや注意するべき点になります。

ある程度、コンセプトや内装イメージ、内装にかけられる費用感が分かれば、実際に内装業者にヒアリングしてもらって、見積りを出してもらっても良いでしょう。

4.【まとめ】物件選定よりも全体のバランスをみるようにしましょう

これまで、内装の決め方から実際の業者の選び方まで網羅的に解説していきました。

実は、物件選定よりも内装のほうが決めることが多い場合もありますので、全体を俯瞰していくことが大事です。

どこの費用を抑えて、どこに費用をかけていくのかを、選んだ物件や予算を見ながら決めていくようにしましょう。

そして、内装業者の選定方法で説明した3つのポイントを念頭に置いて、信頼できる業者を探してみてください。

今回は以上です。