美容皮膚科の開業医はなぜ儲かる?勤務医との年収の差も紹介!
こんにちは。メディカルフォースマガジン編集部です。
当サイトの読者の中には、これから美容皮膚科、美容外科での開業を検討している方もいるでしょう。
そこで大事になってくるのが、『果たして美容皮膚科、美容外科は稼げるのか』という点です。
一般的には、保険診療よりも稼げると言われていますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
今回は、そんな「美容皮膚科開業医のお金事情」について、国が公表しているデータをもとに実態に迫っていきます。
何となく年収が上がると思っている方は多いですが、実際にどのくらい収入は増えるのか、確実に収入を増やすためにすべきことまで熟知しているといえる方は多くはないはずです。
本記事を読むことによって、
- 美容外科での開業が儲かると言われている理由
- 勤務医と比較しての開業した場合の年収
- 年収アップを実現するためにクリアすべきこと
について知ることができます。
この記事を、開業後のイメージを具体化させるための一つの手段として活用してみてください。
それでは参りましょう。
目次
1. 保険診療と自由診療ではなぜ稼ぎに違いが生まれる?
前提として、保険診療でも自由診療でも、勤務医として勤めるよりも開業医になった上で成功する方が稼ぎを増やせることは共通です。
その中でも、突き抜けて稼ぐには美容皮膚科、美容外科のような診療科で開業する必要があります。
理由は、人間の「美しくなりたい」「もっと素敵になりたい」という欲求には際限がなく、患者側も高い価値とそれに見合った単価を感じるためです。
そもそも保険診療と自由診療は位置付けが異なっております。
保険診療が『生命維持や身体の困難に対して改善を図るための医療行為』であるのに対して、自由診療は『治療しなくても生命の維持に関係ないから元々必要のない医療行為』です。
つまり、患者側の視点に立つと、保険診療は『身体的、精神的な負を感じた時にその負を無くすために必要なもの』な一方で、自由診療、特に美容皮膚科、美容外科は『常に持ち続けている満たされることのない欲望に対して価値を提供するもの』です。
そういった欲望には際限がなく、患者側は高い価値を感じ、それに見合った単価を支払ってくれます。
医療行為である以上患者のことを第一に考えて治療を行うことは大前提です。ただし自由診療で稼いでいく場合は 、「いかに自分の技術に付加価値をつけた上で高い単価を払ってもらうか」という商売思考が必要になります。
そうしなければ、突き抜けて成功していくことは困難です。
開業を考えている方は、これまでは「医師」の立ち場で医療行為を提供していただけでお金を稼げていたのに対し、開業した場合は「経営者」や「商売人」としての観点を持たなければいけません。
2. 美容皮膚科、美容外科での開業が儲かる理由
保険診療と自由診療で稼ぎに差が生まれる理由は前章で紹介しました。
本章では、より具体的に美容皮膚科、美容外科が儲かる理由について解説します。
重要なのは、下記3つのポイントです。
①患者1人あたりの単価が高い ≒ 利益率が高い
美容が儲かりやすいと考えられる最大の理由は「客単価が他の診療科目と比べて圧倒的に高く、クリニックとしての収入が大きい」という点にあるでしょう。施術内容によっては単価が100万円にまでなるものもあり、看護師が行うような処置でも数十万取れることもあります。高単価になる理由としては、そもそもの施術で使用する医療機器が高額になることに加え、次に紹介する②と関連しますが、自由診療であることにより価格設定をクリニック独自で決めることができる点にあります。つまり、利益率の大部分を院側でコントロールできることが大きな強みになっています。
②集患手段についての自由度が高い
患者を集めるためのマーケティング手法における自由度も高いのが特徴です。マーケティングを積極的に行うことでより多くの患者を集めることができ、患者数が多いほど収入は大きくなります。
例えば、富裕層だけをターゲットにして広告を配信したり、クリニックのブランディングとして医師がメディアや雑誌に積極的に出てPRしたりすることも自由です。富裕層だけをターゲットにできればさらに1回あたりの施術単価を上げることもできますし、売上拡大が見込めます。
③美容医療を始め、医療サービスの分野が高成長分野でターゲットが幅広い
3つ目のポイントは、個々のクリニック単位での話ではなく、美容医療の分野全体が高成長をしているという理由です。
つまり、美容医療にお金を出す患者が増えている、また、患者1人あたりが使う金額も上がっているということです。年齢の幅は広く、10~30代を中心に、40代以降でも美容医療にお金を使うケースが増えてきています。
ひと昔前は事故が発生して必要のない医療行為として抵抗を持たれていたものの、近年ではSNS・メディアでも紹介される場面も増えました。芸能人も整形を公にするなど、以前あった抵抗が払拭され、幅広い年代に受け入れられています。世間からの受容が変化したことを機に、業界全体が成長していることが全てのクリニックに広く恩恵をもたらしています。
上記、3つの理由によって、美容外科は儲かる診療科目として注目されています。
3. 美容皮膚科、美容外科での開業は勤務医と比較してどのくらい年収の差がでる?
厚生労働省が発表している「医療経済実態調査(医療機関等調査)」の第22回(令和元年実施)の調査資料を参照すると、一般診療所に勤務している医師の平均年収は「1,198万円」です。
一方で、開業している医師(院長も兼任している場合)の年収は、推定「5,000~8,000万円」の営業利益の内から自由に自身の給与に回していると言えます。
営業利益の内、何%を自身の給与とするかについては人それぞれではありますが、大まかな目安にはなります。
開業している医師(院長も兼任している場合)の年収については公表されているデータがありませんでしたので、あくまで推定の営業利益から算出した数値になります。
もちろん、開業には大きな初期費用がかかるため、投資に対しての回収分も含まれます。
営業利益は、下記の数値を元に推定しております。
①1日当たりの予約数:20~40件/日
②単価:3~5万円/件
③営業日数:300日/年
③営業利益率:30~40%
先述したように、市場自体が高成長しているため、その影響が開業医の年収の増加に影響が出てきている可能性があります。
こちらは令和元年の数字ですが、今後も開業医の年収は需要とともに上がり、勤務医との差は開いていくと思われます。
ただし、上記は平均、つまりうまくいった場合の数値です。
開業にはもちろん大きなリスクが付き纏ってくるので、うまく行かなければ勤務医の時よりも稼げない、むしろ全く稼げない可能性もゼロではありません。
そのため、事前のリサーチを怠らず、できるだけ成功確度が高い状態で開業に踏み切りましょう。
4. 開業すれば大幅に年収アップは狙えるが、、、
これまで美容クリニックを経営する上での年収・稼ぎをテーマに、なぜ美容が儲かると言われているのか、そして実際に、勤務医と比較して開業医の年収はどのくらい違うのか、について話をしました。
当然ですが、これまでの話ではあくまでも経営がうまくいっていることを前提としています。
経営には倒産や赤字のリスクが付きまとうため、ここをクリアすることができなければ勤務医の方が稼げた、なんてことも現実に起こり得ます。
当サイトでもクリニック経営に関する記事を更新していますが、開業医の大半が過去に経営経験がないため、最初の1~2年はうまくいかないことも多いはずです。
年収アップを狙っていくためには、経営をいかに安定させていくかが重要であり、特に美容クリニックの経営においては、最初の開業前にどのくらい準備できるかが開業後の経営に影響を大きく与えます。
開業準備については当サイトでたくさん情報を発信していますのでぜひ興味のある記事は読んでみてください。